禁錮刑。 | ||
相談の概要 テレビドラマで「被告人を禁錮3年に処す。」と裁判官が言っていました。禁錮と懲役はどう違うのですか。 |
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ご回答 懲役は「働かせる」刑罰であり,禁錮は「閉じこめる」刑罰です。 懲役も禁錮も,いずれも刑事施設に拘置することによって執行することでは同じなのですが(刑法12条2項,刑法13条2項,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律3条1号),懲役の場合には「所定の作業」が課されるのに対し,禁錮の場合にはこれが課されない点が異なります(刑法12条2項,刑法13条2項)。 懲役において課される「所定の作業」(刑法12条2項)は,いわゆる刑務作業であり,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律92条乃至102条に規定があります。 禁錮の場合,「所定の作業」を課されるわけではありませんが,禁錮受刑者が作業に就くことを希望する場合には,刑事施設の長に申し出ることができ,刑事施設の長の許可を得ることによって作業を行うことができます(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律93条)。もっとも,刑事施設の管理運営上支障を生じるおそれがある場合や,正当な理由なく作業を怠ったことがある者でない限り,作業を許可するものとされており(刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則56条1項),また,作業を行わないことを希望する場合には,2週間前までに申し出なければならないとされています(刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則56条2項)。 |
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弁護士 田上尚志(平成25年01月06日) | ||
参考文献・HP 大谷 實著 成文堂 「刑法講義総論 第4版補訂版」 |
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