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農事組合法人の理事の破産。

 相談の概要

 農事組合法人で理事をしていますが,就任後に自己破産の申立てをしなければならなくなりました。何か気をつけなければならないことがありますか。なお,私の農事組合法人には,理事が3名います。       

 ご回答

 破産開始決定によって自動的に農事組合法人の理事の地位から離れることになります。
 そこで,破産開始決定後も理事の職にとどまろうと思うのであれば,その農事組合法人で再度選任手続きを受けることが必要です。

 農事組合法人は,その組合員の農業生産についての協業を図ることによりその共同の利益を増進することを目的とする法人であって(農業協同組合法72条の3),農業協同組合法72条の3から同法73条の14(農業協同組合法第2章の2)に規定が設けられています。
 農事組合法人には,少なくとも1人の理事を置かなければならないとされ(農業協同組合法72条の12第1項),農事組合法人と理事の関係は委任契約であるとされており(農業協同組合法73条2項,30条の3),農事組合法人が委任者,理事が受任者となります。
 ところで,委任契約は,民法に規定のある典型契約ですが(民法643条〜656条),受任者が破産した場合には委任契約は終了すると定められているため(民法653条2項),法律上は,あなたが破産開始決定(破産法30条)を受けたことにより,農事組合法人との委任契約は終了し,理事をいったん退任したことになっています。
 したがって,あなたが農事組合法人の理事職にとどまりたいと考えるのであれば,農業協同組合法72条の12の11第1項に基づいて他の理事に臨時総会を招集してもらい,総会において再度理事に選任してもらうことが必要です(農業協同組合法72条の12第3項)。     
弁護士 田上尚志(平成25年01月19日) 

 参考文献・HP

  

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